歴史に特化した、石川県のガイドブック
『石川県の歴史散歩』(編・石川県の歴史散歩編集委員会、1296円、山川出版社)は都道府県別シリーズの1冊。石川県をいくつかのエリアに分けて、それぞれの名所旧跡、施設のみどころを紹介し、アクセス方法などを掲載するガイドブックだ。
ガイドブックといいつつも、いわゆるグルメ情報やショッピング情報はほとんどなく、たとえば、キリシタン大名として知られ加賀藩前田家でも活躍した戦国時代の武将、高山右近の足跡や、戦国時代末期の絵師、長谷川等伯と七尾美術館ついてなどコラムが3、4ページおきに必ずあって、その数、おおよそ40、実は歴史読み物に近い。
「るるぶ」でおなじみJTBパブリッシングや「マップル」の昭文社など旅行・地図に強い出版社でなく、合戦ものや武将、偉人伝などに強い山川出版社だけに、「どこそこのあれがおいしい」「お土産におすすめのベスト10」といった世俗情報(これはこれでとっても大切なんですけれども)を思い切り削ぎ落とし、歴史に特化したところは「いさぎよし」。