北陸新幹線開通まで残り1か月をきった。2015年3月14日に新幹線が長野から金沢まで延伸して、乗り換えなしで東京から富山まで2時間8分、金沢までは2時間28分で行けるようになる。一気に1時間半も短縮して、京都へ出かけるのとほぼ同じ。そうだ、北陸へ行こう!
ブリ、アマエビ、ホタルイカ...、日本海の魚は抜群に美味だし、秘湯もいっぱい。そしてなにより金沢をはじめとする歴史・風情のある町並みの魅力もあって、近くなった北陸への観光客が増えるのはまず間違いないだろう。
今回は来るべき「北陸」ブームに備え、ちょっと知ったかぶりができる3冊をご紹介。
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カッパも山賊もまだまだ近くにいるかもしれない?
かつて日本にも山賊がいた。北アルプス最奥部にある三俣山荘の経営者、伊藤正一さんは、山賊と出会ったことがあり、その顛末を中心に著したのが『定本 黒部の山賊 アルプスの怪』(1296円、山と渓谷社)。
彼が出会った山賊とは、実はとてつもなく魅力ある男たちだった。岩魚釣り名人もいれば、熊撃ち名人もいる。熊鍋にお掃除しない大腸をそのまま鍋につっこむと味にコクが出るのは、排泄前の熊のアレがあるから、という理由には笑ってしまう。まさに「クソ食らえ!」だ。食べて見たいけれど、そんな機会はあるのだろうか。
本書を書店で探すと、必ずと言っていいほど、ガイドブック、山岳コーナーに置かれている。これがなんとももったいない。もっと目に付く一般書コーナーに置かれればいいのにと熱く思える名著だ。「いくらなんでも無理」「ありえない」と、頭でっかちになりがちな現代人にガツンと一撃を与えてくれる。本書で出会った山賊に思いを馳せて、北アルプスの山々を眺めてみたくなる。長く幻と呼ばれていたが、2014年に復刊、版を重ねている。