情報化を経済発展の動力に...必要なのは仕組み作り

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情報化の進展が雇用の創出を導くために不可欠な「教育」

   ただ、筆者は、そのためには、適切な「教育」が不可欠、とする。すなわち、コンピューターに「代替」された労働力が、再び労働市場に参加するために、あらたなIT環境に適応するための、情報を収集し、分析し、判断する、という役割を担うための訓練プロセスが不可欠である、とする。情報化時代が進展したとしても、「代替」できない判断プロセスというものがあり、そこは創造的な精神をもった人間が引き続き担うべきであるし、そのための教育プロセスがあってこそ、情報化の進展は雇用の創出につながる、とするのである。

   本書を通じ、情報化の進展がただそれだけで経済成長や雇用の創出につながるものではなく、それに適応する仕組み作りの必要性を改めて認識させられた。そこに情報化産業の振興に携わる我々の課題があるように感じた。

総務省 室長級 MH

【霞ヶ関官僚が読む本】現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で「本や資料をどう読むか」「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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