民主党政権で現れた変化
第2章「『顔』の政治学」は、審議会だけでなく、様々な会議の運営において普遍的な事柄への洞察である。委員の「顔」すなわち、参加者の自尊心を安定させておくことが会議成功の秘訣だと喝破する。限られた時間で、会議の結論を得ることが目的となっている中で、そのためには、座長を含めた参加者の「顔」をたてることだ。審議会が「ハレの場」であることを、裏方としても改めてかみしめる。
第3章「諮問会議と御前会議」では、民主党の政権交代後、大臣などの政治家(決定権者)が、審議会に出席することが増え、江戸の殿様の前で家臣が意見を具申し合う「御前会議」化し、委員が、決定者の顔色を窺うようになり、政治と審議会の距離は縮まったが、専門性や中立性を失い、難しい政治的決定の「前さばき」の役割を果たしにくくなっているという。この問題は、官僚制に対するあるべき民主的統制を研究する、アメリカ生まれの学問である行政学においても永遠の課題だとする。
肯定・否定のいずれの側でも、「審議会」に関心のある向きには、必読のシリーズである。
経済官僚(課長級)AK