【次の百年に踏み出した宝塚歌劇(1)】正月公演「ルパン三世」が示す"挑戦"の精神 起源は温泉の"客寄せ"だった

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「ベルサイユのばら」の劇団ではなく...

   宝塚大劇場は毎年元日から公演を行う(東京は通常1月2日から)。2015年の大劇場の正月公演は雪組の「ルパン三世―王妃の首飾りを追え!―」。「ルパン三世」初のミュージカル化だ。101年目の宝塚は、お馴染みのあのテーマ音楽でにぎやかに幕を開けた。

   宝塚といえば、おそらく「ベルサイユのばら」がいちばん広く知られているだろうが、実はその上演演目はかなり幅広い。オリジナルミュージカルやブロードウェイミュージカルはもちろん、いわゆる日本物、漫画やゲームを舞台化した作品からチェーホフまで、古今東西、時代の別なく、ありとあらゆるものを飲み込んでは宝塚流にアレンジして上演する。公演は芝居とショーの2本立てが基本で、一方のショー作品もいわゆるバラエティショーからヨーロッパ風のレビュー、ストーリー性を織り込んだものまで多彩だ。

   14年は百周年の記念の年とあって、祝祭的な作品で1年をスタートさせるのかと思いきや、星組による大劇場の正月公演は、フランスの作曲家と組んだ野心的な一本ものの新作だったし、東京の雪組公演は周防正行監督のヒット映画「Shall we ダンス?」の舞台化作品。さらなる100年に向かおうという劇団の挑戦の気概をみるような幕開けだった。15年もまた「ルパン三世」という異色作品の選択でファンを驚かせた。ロングラン公演を行わず、「新作主義」を掲げる宝塚は、案外チャレンジングな劇団といえる。

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