ウィーンフィルニューイヤーコンサートの定番曲と親子の確執

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将軍の戦勝はハプスブルグ帝国の最後の輝き

   フランス革命後にあらわれたフランスの英雄、ナポレオンに蹂躙されたり、北方プロイセンに戦争を仕掛けられたり、とこの時代のハプスブルグ家は、戦争では負けっぱなしの状況が続いていました。その中で、唯一、当時まだオーストリア(ハプスブルグ)領であった、北イタリアの独立運動を、抑え込んだ将軍が、ラデツキー将軍でした。その将軍の戦勝をたたえて、新兵募集の歌詞をつけて、ラデツキー行進曲は、ハプスブルグ帝国の最後の輝き、といわんばかりに、人気曲となりました。

   息子シュトラウス2世の人気ワルツやポルカに囲まれて、シュトラウス1世のラデツキー行進曲は、あたかもハプスブルグ帝国最後の残照、のように、ウィーンフィルのニューイヤーレパートリーとして、今年も輝いています。

   余談ですが、ウィーンの名物、「ウィンナーシュニッツェル」というカツレツ料理は、ラデツキー将軍がこのとき、ミラノから持って帰った「カツレツ・ミラネーゼ」がもとになっているといわれています。

本田聖嗣

本田聖嗣プロフィール

私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でフプルミエ・プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目のCDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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