ウィーンフィルニューイヤーコンサートの定番曲と親子の確執

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「革命の嵐」が加速 父=宮廷派、息子=改革派

   もともと、父・シュトラウス1世は、ヨーゼフ・ランナーという音楽家が率いる楽団のヴァイオリン弾きから身を起こし、自らの楽団を育て上げ、人気音楽家になった人でした。折からのワルツブームに乗り、民衆の踊りであったワルツが、ついに宮廷にまで採用されるという時代の波にも乗ったのです。その一方、家庭を顧みず、シュトラウス2世と弟たちを母のもとに残し、家を出る...ということもしました。そのため、シュトラウス2世は、父を同じ土俵で見返すといわんばかりに、母や周囲のサポートを受けて、父に対抗する形で、地元ウィーンデビューを飾ったのです。親子の才能は、ウィーンで火花を散らしたのです。

   大体、親子という関係は、年長者である親が保守派、若い子供が改革派、となるのですが、この親子も似たところがありました。時代も関係しています。隣国フランスから「革命の嵐」がウィーンにももたらされ、ハプスブルグ帝国は揺れに揺れていたのです。息子2世は、当然市民による「改革派」に熱心に支持され、低い身分から、宮廷にまで認められた父1世は、「宮廷派」と、みなされたのです。

本田聖嗣プロフィール

私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でフプルミエ・プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目のCDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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