「迷える羊」などという表現もあるので、なんとなく、か弱いとか、やさしいというイメージを抱きがちだが、じつは世界にはヒツジを平和や前途洋々、希望のシンボルとみなすところが多いよう。それに未(ヒツジ)年の「未」は「木」の上にこれから成長していく小枝「一」が乗っている希望を表す漢字なのだ。
未年の2015年が明るい未来につながることを期待しつつ、新年第1回の「BOOKウォッチ」は「未(ヒツジ)」をテーマに3冊ピックアップ。
J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」(https://books.j-cast.com/)でも特集記事を公開中。
知ったかぶりができる、ヒツジ入門書
『ひつじがすき』(著・佐々倉実、佐々倉裕美、1280円、山と溪谷社)は、ヒツジのあれこれが満載のヒツジ入門書・ヒツジ事典だ。
「ふわふわで真っ白だけとは限らず、黒や茶、ブチもいる」といったヒツジの種類の話から「草を食べるだけで人に大いに役立っている。草は食べるけれど、引き抜いて食べないので次につながる」といった命の循環のお話。それにヒツジの歴史、ヒツジを扱った文学、絵本、衣食住にかかわる雑学、ヒツジを上手に写真に収めるテクニック、羊飼いになる方法までもが事細かに紹介されている。
アカデミックな学術書ではないので手軽に拾い読みができ、未年の年賀挨拶、新年会の話のネタ帳としてもおすすめだ。春夏秋冬、かわいいヒツジの写真がいっぱいで、眺めているだけでも癒される。