なぜ「第九」が12月の日本を代表するクラシック音楽になったのか(後編)

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日本では年越しの雰囲気にマッチ

   日本の戦後も事情は同じでした。まだ全国民の生活が苦しい時代、オーケストラも、懐事情は、今以上に厳しい、でも、歳末のボーナスぐらいは出したい...となると、少しでもお客様を呼べる演目を演奏しよう...そうだ、合唱の入る「第九」を演奏しよう!という背景があったようです。日本では特に「運命」や「英雄」や「皇帝」でも人気の高いベートーヴェンの最後の「合唱付き」交響曲ですから、「今年も終わりだ!」という歳末の雰囲気にもマッチし、かつ、合唱団関係者によって、お客は倍増...ということが繰り返され、今の「年末は第九」という雰囲気が出来上がった...これが真相のようです。

   今や、「年末に第九」が定着しているので、私は、時期にかかわらず、第九を聴くだけで年の瀬の気分になってしまいます。

本田聖嗣

本田聖嗣プロフィール

私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でフプルミエ・プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目のCDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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