郵便配達のある日常を切り取る 日本郵便公式カレンダー

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   四季折々の情緒ある風景に、郵便サービスが溶け込んでいる――日本郵便の2015年版公式カレンダーは、集配の車やバイクが日本各地で走る様子を、風景ごと切り取った美しい写真が印象的だ。

   撮影を担当した写真家の田頭真理子さんに、写真に込めた思いや撮影時のエピソードを聞いた。

  • 写真家の田頭真理子さん
    写真家の田頭真理子さん
  • 写真家の田頭真理子さん

日本ならではの風景を撮影

   風景写真を収めたカレンダーといっても、有名な観光地ばかりが登場するわけではない。あまり知られてはいないが四季の良さを感じられる日本各地を、毎月撮影に訪れて写真に残している。山梨県の棚田や、新潟県のかやぶき集落、愛媛県の瓶ヶ森(かめがもり)林道、長崎県の生月島(いきつきしま)サンセットウェイなど、12か所を撮影した。

   田頭さんは「郵便局は北の端から南の端まで、小さな島や村にもあるので、撮影に行くと日本らしい風景が残っていて、『まだまだこんな場所があったんだ』と感じます。そんな日常を走っている赤い車やバイクの配達シーンを写真で切り取ると、実は絵葉書のように良い画になるのがおもしろいです」と話す。

   1か所の撮影にかけられるのは3日間だけ。ロケハンに1日、撮影に2日という限られた時間しかない。一番苦労したのは天候だという。6月の梅雨空を撮影する予定が、思うように雨が降らなかった。終了の時間を迎えてしまい諦めかけて帰る途中、遠くから雨雲が見えて、引き返して撮影したこともあった。

   たいていは「晴れ」の日を求めて赴くのだが「1か月の中で本当に天気の良い日は1日か2日ぐらいです。そういう状況で3日間という制限の中、撮らなければならず、ある意味賭けみたいなものです。空を見て風を見て、雲がどう流れているかも撮影チームで調べ、天気図にはずいぶん詳しくなりました」(田頭さん)

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