KDDI(au)が、米モジラのオープンソースの基本ソフト「ファイアフォックス(Firefox)OS」を搭載したスマートフォン(スマホ)を発表した。一般向けとしては国内初の「Firefoxスマホ」となる。
機能だけでなく、デザインや部品と細部にこだわりが施された端末に仕上がった。KDDIの田中孝司社長が「ほとんど商売抜き。ビジネスのことは考えていません」と断言した。
「いくらかかったか、言えませんよ」
新型スマホの商品名は「Fx0(エフエックスゼロ)」。搭載されたFirefox OSは、HTML5をはじめウェブの標準技術をベースとしているため、アプリの開発がしやすい。端末は韓国LG製で、画面サイズは4.7インチ。高速データ通信「4G LTE」に対応する。
ゴールドカラーの本体が目を引く。ディスプレーの下の部分や裏側が透けており、中の部品が見えるのもユニークだ。デザインには著名なデザイナー、吉岡徳仁さんを起用した。
2014年12月23日の商品発表会の席で、田中孝司社長は、開発にあたってのエピソードを話した。「透明ボディー」にしたのは「Firefox OSのオープン性を象徴する意味で、中身を見せなければいけないだろうということで」とユーモアを交えて話した。開発グループの社員と共に商品プレゼンテーションを始めると、Firefoxのロゴを取り入れた「ホームボタン」、11本だけしか使わない専用ネジの開発で何度もやり直した苦労を明かし、「いくら(費用が)かかったか、言えませんよ」と会場を笑わせた。
家電量販店などでスマホを販売する際、通常は実物に似せた模型(モックアップ)が置かれる。ところが「Fx0」の場合は端末製作に凝り過ぎたためモックアップがつくれず、販売店にはすべて実機が並ぶとのことだ。