日本の潜在力に、乾杯!
『クールジャパンとは何か?』(1080円、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、書名どおり、クールジャパンとは何かを、クールジャパン機構代表の太田伸之さんがていねいにその仕組みなどを説明している。たとえば
「日本の和牛は確かに美味い。しかし、松阪、神戸、飛騨、宮崎と国内だけで競争しているうちに、世界ではオーストラリア産のWAGYUにいいようにやられてしまった。和牛とWAGYUがいかに違うか、和牛にどれだけ高付加価値であるかをもっと世界に発信せよ」
といったように、ニッポンの持ち味が何かを整理したうえで、「小さな日本のなか、井の中の蛙ではなく世界で大きく展開せよ」と、その戦略・ヒントを紹介する。
日本酒は、国内の大手酒造はほんのひとにぎり。その一方でいいお酒を作っている小規模な蔵元はたくさんあるのだから、大手と同じ土俵にたって一升瓶で展開するのではなく、四合瓶で高級イメージの統一化をはかれと提言する。ニッポンにはまだまだ底力があるんだと再認識し、ニッポンに「乾杯!」したくなる本。