未知の感染症を「適切に恐れる」ために

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効果的なリスク・コミュニケーションのために

   感染症のリスクに対してパニックを来たしてしまってはいけないし、不感症になってもいけない。感染症について一般市民はほとんど馴染みがないだけに、専門家や政府は、市民に対して、どういうメッセージを発し、「どのくらい恐れろ」というべきかは極めて重要なテーマとなる。

   現時点において、エボラ出血熱の場合、その感染は体液との接触による場合がメインで、咳やくしゃみで感染するインフルエンザ等と比べて、はるかに感染性は低い。その意味で、日本においてその流行は、著者の比喩でいえば、飛行機事故同様、「めったに起きない」と考えられるが、他方、その致死率を考えると、「起きたら大変」なリスクである。つまり、このエボラ出血熱は、日本において「めったに起きないけれど、起きたら大変」な感染症なのだ。リスコミの在り方を考える場合、この「起こりやすさ」と「起こった場合の影響の大きさ」の両者を区別し、分かりやすく伝えることが何より重要だと著者は指摘する。

【霞ヶ関官僚が読む本】現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で「本や資料をどう読むか」「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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