アメリカン・エキスプレス・インターナショナルは2014年12月5日、世界の企業の財務意思決定者1540人を対象に行った意識調査「アメリカン・エキスプレス世界7カ国中堅企業調査」の結果を発表した。
対象国は、日本、米国、カナダ、メキシコ、ドイツ、英国、オーストラリア。年間の売上規模が約5億円から1000億円の企業を対象とした。
海外企業の現金払いは平均1~2割
日本企業と世界の企業との差が顕著に表れた設問のひとつが、企業による経費の支払い方法だ。日本の中堅企業は全体の経費のうち約半数(53%)を現金で支払っていると回答した一方で、各国の企業の現金支払いは米国が13%、ドイツが15%など平均1~2割で、日本企業の現金主義が明らかになった。
全体の経費の支払いに占めるクレジットカードの割合に関しては、最も多く使用すると答えたのはカナダ(32%)。英国が31%、オーストラリアが30%と続き、世界の企業は経費の支払いに占めるクレジットカードの割合が2~3割に上ったが、日本は10%にとどまった。
また、日本の中堅企業は、経費や業務渡航を全社的に一元管理するシステムの導入率が世界平均と比較して低いことが明らかに。経費、業務渡航、仕入れ、人事の4つの項目別に一元管理システムの導入についてたずねると、「何も導入していない」と回答した日本企業は31%で、7カ国の平均値である8%を大きく上回った。
日本企業の一元管理システムに対する満足度も低いようだ。日本の中堅企業で最も導入率が高い「経費の一元管理システム」の満足度に関して、諸外国は「全く満足していない」「満足していない」が3%以下であるのに対し、日本の中堅企業の30%が「全く満足していない」「満足していない」と回答した。
この調査結果について立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の亀川雅人教授は
「経営管理に関する専門的人材が育成されなければ、慣習的な機能が継承され、現金による決済や出納業務に重大な問題が潜んでいることに気が付かないのでしょう」
とコメントしている。