昨年からおしゃれ上級者の間でじわじわ流行していたミモレ丈のスカートが、今シーズンは大勢の女性たちから支持されている。「ミモレ」とは、ふくらはぎのふっくらしたあたりのことを指すフランス語。「ミッドカーフ」と英語で表現される場合もある。ロングでもミニでもないスカートは、うまく着こなせば清楚なオードリー・ヘップバーン風になるが、一歩間違うと、太くて短い足を強調してしまう。その姿は、おしゃれとはほど遠く、昭和時代のオバサンそのものだ。
モデルじゃなくても、20代じゃなくても、流行の波を乗りこなしたい
雑誌でパリのおしゃれスナップを見ると、みんなうまく着こなしているが、東京の街を歩けば、素人目にも明らかに失敗しちゃった人が散見される。ミモレ丈スカートは、やっぱり上級テクなのだ。20代ならかわいい「オバコーデ」だが、記者のように30代を過ぎると中身が伴うだけにしっかり注意を払いたい。
1990年代後半、女子高生たちは、ふくらはぎのもっとも太い「ミモレライン」にゆるめのソックスを合わせ、「ソックタッチ」で固定していた。こうすると、足がまっすぐ長く見える。日本の女性が、コンプレックスを逆手にとって独自に生み出した「ルーズソックス」スタイルだ。そう、欧米人のマネをしただけでは、おしゃれとは言えないのだ! と、遠吠えしてみたものの、2014年も15年もトレンドの波には乗っておきたい。
ネット上をさまようこと1時間、「大人のためのミモレ丈研究」に、トンネルの出口が見え始めた。名付けて、「本当はもうオバサンって言われてもいい歳だけど、オバサンに見せないミモレ丈スカート着こなし3か条」だ。
「オバサンに見せないミモレ丈スカート着こなし3か条(仮)」
その1 視線を上へ
帽子やアクセサリーを上半身に付けて、とにかく足に気付かせない!
その2 トップスは短め
スカートに隠れた部分はすべて足だと思わせ、脚長効果に期待!
その3 ヒール靴を履く
足の短さはヒールの高さで補ってしまおう!
とはいえ、誰が言ったか分からないネットの情報だけを鵜呑みにするのは危険だ。プロの意見も聞いてみよう。さっそく、ジャーナル スタンダード渋谷店に行ってみた。
写真が用意してもらったコーディネート例。さわやかなペールブルーのニットにグレーのストール、ブラックのミモレ丈スカートは、なんとも上品な大人のスタイルである。これなら自信を持って街を歩けそうだ。改めて、着こなしポイントを教わった。
「オバサンに見せないミモレ丈スカート着こなし3か条 完成版」
その1 視線を上へ
ストールの小物づかいはもちろん、胸元に抜け感を与えるのもひとつのテクニックだ。こうするとトップスにある程度ボリュームがあっても足元が気にならない。胸元が隠れるタートルネックを合わせる場合は、ウエストをスカートにインして、トップスを短く見せる必要がある。
その2 スカートの素材・形・長さにこだわる
スカートは裾に向かって広がるタイプを選ぶ。ポリエステルなどハリのある素材なら、暗い色でも軽やかな印象を与える。丈は、本来のミモレラインより、少しだけ短いものを選ぶと今年らしいバランスが完成する。
その3 あえて足元はハズす
高ヒールのパンプスやブーティも確かに相性はいいが、マダムっぽさが強調されてしまう。あえてメンズライクなフラットシューズでハズすのが、今年らしいコーディネート。これから寒さが厳しくなってくると、エンジニアブーツも好相性だ。
写真は、カシミヤニット2万2000円(税別、以下同)、ミッドカーフスカート1万5000円=ともにジャーナル スタンダード/カシミヤストール5万9000円=ジョンストンズ/千鳥ハラコバッグ8万9000円=コレクション プリヴェ/ウイングチップシューズ7万2000円=チャーチ。
商品に関するお問い合わせは、ジャーナル スタンダード渋谷店(03-5457-0719)まで。