自分では最高傑作、自信作と思っているのに他人の評価がケチョンケチョンだったり、簡単にできるとたかをくくっていたら、実際は思うようにはかどらなかったり...。こんなときは、自分はダメだと落ち込んで情けなくなってしまいがち。しかし「ダメもと」で試してみたら活路が開いたなどと、ダメがもたらす効用もそれなりにあるもので、「ダメよ、ダメダメ~」と言い続けていた日本エレキテル連合は見事にブレイク、収入・待遇も大幅アップして...、今年の流行語大賞の有力な候補にもなりそう!?
今回は「ダメ」がキーワードの成功本をご紹介。
J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」https://books.j-cast.com/ でも特集記事を公開中。
「ダメ」から脱却できるヒントはすぐそばに
『仕事で「もうダメだ!」と思ったら最後に読む本』(著・千田琢哉 宝島社 1296円)は、ノルマや人間関係、能力に限界を感じときに、腐らないで生きていくための55の方法を説く本。
「ノルマが達成できない、締め切りに間に合わない、もうダメだと思ったら、とりあえず3か月死んだふりをして4か月後の種をまけばいい」。
「自分の能力に限界を感じたら、この際だから今まで自分で遠慮してきたことをやってみる」。
「出世の道が断たれたのなら転職・独立の絶好のチャンス」
――といったようなネガティブマインドをプラスに変換させる言葉・思考法が紹介されている。そうはいっても現実にはなかなかねと言いたくなる部分もあるし、この本を読めば必ず成功に導かれるという保証もない。けれど、たとえば探しものが見つからないとき、「ほら、すぐ目の前に」と他人から指摘されて「なんだこんなところに」といったことは、よくあるもの。「ダメダメ」の負のスパイラルから脱却できるヒントは案外すぐそばに転がっている。
6年間の引きこもりが一発大逆転
『世界一即戦力な男―引きこもり・非モテ青年が優良企業から内定をゲットした本』(著・菊池良 フォレスト出版 1512円)は、まさに本のタイトル通り、この就職困難な時代に、自分を雇う企業を募集する逆就活サイトを立ち上げ話題づくりに成功、。見事、優良企業から内定をゲットし、その一連の出来事を当事者自らが著したもの。社会人1年生の自伝、人生訓、サクセスストーリーというと、それだけで反発する方もいるかもしれないが、セルフプロデュース力や人脈作りなど本書から学べるものは多い。NHKや朝日新聞がニュースとして取り上げ、フジテレビがドラマ化したわけも頷ける。
漫画「美味しんぼ」に憧れて調理師をめざすも自分には向いていないと学校を中退し、6年間の引きこもり生活。世間からは「ダメ」の烙印をおされた人間が一念発起する。「その気になればいつでもレールに戻れる」「低い評価を甘んじて受けるのではなく、評価される場所を自分で探す」「仲間を見つける」、こういった言葉はどんな世代にも勇気とやる気を与えてくれる。
自分や自分の会社を「ダメ」から守るためには
『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです』(著 石原明 サンマーク出版 1512円)は、2006年の発刊以来、版を重ねるロングセラー。「今は小さくても、正しい頑張り方でうんと儲けて、うんと会社を発展させてください」という、全国の社長さんを応援する思いを詰め込まれている。「不透明なことが多く先行きがわからない」「あまり右肩上がりは期待できない」「リスクは極力抱えたくない」といった後ろ向き思考はダメという。「まさかこのままでいいなんて、思っていませんよね」と投げかけ、マーケティングにしっかりお金をかけろ、人にも投資しろ(中途採用よりも新人登用、教育に力をいれろ)現状維持を目指したら会社は潰れるなど、の著者の経営コンサルタントとしての言葉がつづく。
経営者向けの本ではあるが「これでいいやと思ったらダメ人間になる」「自分磨きに精を出せ」と個人の生き方に置きかえて読んでも役にたつ本だ。