米アップルのiPhone 6が発売されて1か月以上が経過した。大きくなったディスプレイや新機能の評判に関しても一通り出そろい、様子を見守っていたが「そろそろ買おうかな」と動き出そうという人も少なくないはずだ。
だが、いざ契約するキャリアを選択するとなると、各社が熾烈な競争を繰り広げていて、どれが良いかはなかなか一般ユーザーにはわかりにくい。そこで販売台数のシェアや通信速度の実測データから、どのキャリアが優勢なのか検討してみる。
累計販売シェアと通信速度ともにトップ
家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」を合計した2014年10月18日までのキャリア別販売台数シェア(累計)は、ソフトバンクが45.6%でトップだった。それにauが32.9%、ドコモ21.5%と続く。ソフトバンクのシェアは9月21日時点で42.9%だったのが増加傾向にある一方で、ドコモは当初24.9%あったシェアを落としていて、苦戦していることがうかがえる。2位のauは大きな変動はなく横ばいだ。
そしてスマートフォンで重要な通信速度は、キャリアごとにどれほど違うのか。日経BPコンサルティングが全国の乗降客数上位500駅を対象にした「全国主要500駅 LTE/4G通信速度調査」で、結果をまとめている。全国のJR各社、私鉄の公開データを基に駅を選定し、「RBB TODAY SPEED TEST」アプリでデータ通信速度を記録したもの。10月3日から10日にかけて調べている。
この調査によると、LTE/4Gでつながった駅でiPhone 6を使い、ダウンロード速度が最も速かったのは、ソフトバンクだった。全国エリアは37.51Mbps、東日本エリアは36.69Mbps、西日本エリアは39.99Mbpsとハイスピードだ。2位のauは全国エリア33.10Mbps、東日本エリア33.21Mbps、西日本エリア32.77Mbpsで、どのエリアで見てもソフトバンクに引き離されていることがわかる。
また、ICT総研が10月8日に公表した「待ち合わせ場所100地点 iPhone6電波状況実測調査」でもソフトバンクが東京で平均32.51Mbps、大阪で40.91Mbps、名古屋で34.35Mbpsと三大都市圏それぞれでトップとなり、他キャリアを引き離している。
重要さを増すダウンロード速度
ソフトバンクではFDD-LTEに加えてTD-LTEに対応した「Hybrid 4G LTE」を提供してきた。今回から端末側が規格に対応したiPhone 6でも、TD-LTEが使えるようになったため、高速のダウンロードが実現したとみられる。
YouTubeでの動画再生やクラウド上での写真のやりとりなど、日常生活で増え続けるデータのダウンロード量。ビジネスで必要なファイルの送受信にも、スピーディーさが求められる。こうした面を重視するのであれば、ダウンロード速度で頭一つ抜け出たソフトバンクを選択するのがよさそうだ。