ついうっかりで、命を落とす花が 身近なところにある危険
エディブルフラワー(食用の花)が食卓を彩る一方で、食べると怖い、死に至る花や植物がある。
『日本の有毒植物』(著・佐竹元吉、2160円、学研教育出版)は180の植物について、そこに潜む「危険」を紹介する図鑑だ。トリカブトに猛毒が含まれることはもはや有名で、ミステリーの題材だけでなく、実際の殺人事件でも使用を指摘されたことがあるが...もっと身近などこにでもある植物に危険が潜んでいたとは。たとえば秋の七草の一つ、桔梗は食べると神経が麻痺する。正月、新年を祝う福寿草はフキノトウと間違えられやすく、誤食すると激しい嘔吐を繰り返す。酒の肴として居酒屋でおなじみギンナンには、食中毒を起こす成分が含まれているので過食には(とくに子どもは)注意したほうがいいといったことが学べる。ポケットサイズで実用的ではあるが、「心にきく植物」といったコラムもあって、アウトドア派でなくても雑学書として持っておきたい一冊だ。