はげ山のハロウィーン

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

「オリジナル版」はお化けが出る暗闇にぴったり

   ロシアの『力強き五人組』、という、新しいクラシック音楽の伝統をつくろうとしたグループの一員だったムソルグスキーは、この曲を生涯にわたり、何回も改訂します。しかし、この曲が広く知られるようになったきっかけは、『五人組』の世話役たるリムスキー=コルサコフという作曲家が、編曲版を作ってからでした。ムソルグスキーの音楽は、力強い一方、粗野な面が多々あったのです。近年では、それらの「オリジナル版」の演奏も増えてきましたが、より荒々しいオリジナルバージョンを聞いていると、ハロウィーンにもぴったりだなあ...という気がします。祝祭前夜に、とてもとても怖い思いをする、というお話ですから、ハロウィーンのお化けが出る暗闇、のイメージにぴったりなのですね。

   ところで、この曲は、何回も改訂されているにもかかわらず日本語の邦題は、いつも「はげ山の一夜」とされていて、頭髪を気にされる諸氏からは、すこぶる評判がよくありません。この名曲の題名を聞くたびに、嫌な思いをされるのだそうです。こちらの訳も、そろそろ改訂しては...と思いますが、「木が大変少なくなった山での恐ろしい一夜」という題名だと...やっぱり、間延びがして、ピンと来なくなってしまいますね...。

本田聖嗣

本田聖嗣プロフィール

私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でプルミエ・ プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソ ロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目のCDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラ マ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを 務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

姉妹サイト