1996年、54歳で亡くなった本木昭子さんは、多くのクリエーターが頼りとし、育てられたイベントプロデューサーだった。いつも、明るく励まして、時代の風とともに走り抜け、去って行った。あれから18年、友人たちが作った「華やかな時代の風景」がこの本に収容されている。
72人の友人たちが寄せたエピソード
アートディレクターの長友啓典さん、テレビマンユニオン会長の重延浩さん、照明家の藤本晴美さんら友人が制作委員会を作り、ライターの寺田和代さんが本木さんの友人、知人へのインタビュー、72人の友人たちが寄せたエピソードで綴られている。2014年10月に「だいじょうぶ だいじょうぶ本木昭子」のタイトルで朝日クリエから出版された。
編集工学者の松岡正剛さんは、「会ってすぐわかったのは、この人が小夜子をつくったんだとわかった」と話している。小夜子とは、一世を風靡したモデルの山口小夜子さんだ。小夜子を舞台で見たとき、ハラハラしおた印象を持ったが、それは本木さんにもあり、それは「覚悟」、「さだめ」ということだという。イベントプロデューサーは覚悟がないとやれない。人が集まらないかもしれない、赤字になるかもしれない、そんな場面でも、彼女は「だいじょういぶ、だいじょうぶ」といっていた覚悟である。