プリンセスはたいへん! 「ありのまま」は所詮おとぎ話の世界!?

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傘寿を迎えられた皇后の短歌・長歌を編んだ書

   『皇后美智子さまのうた』(著・安野光雅、朝日新聞出版、1944円)は、2014年1月から3月にかけて『週刊朝日』に連載されたものをまとめたもの。まさにタイトル通り、皇后美智子さまがこれまでに詠まれた歌の中から、短歌90首と長歌1首を選び、画家の安野光雅氏が挿絵と解説を付している。たとえば本書の最初に登場する歌でアフガニスタンの湖を詠まれた「果の地の白砂のさなか空の青落ちしがに光る湖ありき」、あるいは、ご成婚の年に詠まれた「てのひらに君のせましし桑の実のその一粒に重みのありて」などから、皇后陛下の優れた感性、気品ややさしさを汲みとることができる。

   民間人としてはじめて皇室に嫁がれ辛いことも多々おありだったと想像に難くないが、詠まれるうたは、「ありのままで」と自分をおしつける気負いさもなく自然体。

   勢いで一気呵成に読んでしまうもの、あるはパラパラと斜め読みでも充分な本とは違い、佇まいをととのえて本書と丁寧に向き合えば、日本という国の良さを感じることができる。

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