2014年の流行語大賞におそらくノミネートされる「ありのままで」。ディズニー映画『アナと雪の女王』でエルザ・松たか子さんが歌う主題歌『レット・イット・ゴー~ありのままで~』のサビの歌詞だ。 ストレス過多な時代、OLも主婦も「♪ありのままで~」とうたって、いっときの憂さ晴らし。しかし実際のところ、現実の社会、とくに伝統・格式を重んじる王室、皇室で「ありのまま」でいられるのか? 今回は「お姫様」「プリンセス」をキーワードに3冊をピックアップ。
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グレース・ケリーは女優でなくモナコ公妃を演じることを選んだ
14年10月18日から映画『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』が公開されている。 米ハリウッドのスターでオスカー女優のグレース・ケリーが仏カンヌ映画祭でモナコ公国のレーニエ大公と恋に落ち結ばれ同国王妃へというシンデレラスストーリーは、まさにおとぎ話のような真実。しかし、世のお約束通り、スイートでロマンチックでばかりではいられなかった...。
映画では彼女がアルフレッド・ヒッチコック監督から映画『マーニー』の主演を打診され女優復帰を一度は決意するも、宮廷内からその秘密が外に漏れて...ということからはじまり、宮廷内の陰謀、その黒幕が暴かれるというところまでが描かれている。女優と決別して、妻を、母を、そしてモナコ公妃を「演じる」覚悟を決めるという内容だ。
『グレース・オブ・モナコ』(著・ジェフリー・ロビンソン、訳・藤沢ゆき、小松美都、KADOKAWA、950円)は、この映画の原作本。グレース本人とも深い交流のあったジャーナリストが、近しい人々の多くの証言も交えて描く、硬派で華麗なノンフィクション。