東京都千代田区で妙に幅を利かせている立ち食いそばチェーン「ゆで太郎」。オフィス街を歩いていると頻繁に出くわし、お昼時にはビルの谷間で食虫植物のようにサラリーマンを吸い込んでいく。千代田区で働く人にはなじみ深い店ではないだろうか。
なぜいきなり「ゆで太郎」なのか、というのもある日、カス丸のもとに耳寄りな情報が舞い込んできたからだ。
「千代田区のサラリーマンはそれぞれ『お気に入りのゆで太郎』を持っている」
「社内ではしばしば『こっちのゆで太郎の方がウマい』論争が起きている」
聞き捨てならない情報だ。ということは店舗ごとに味が少し違う...のか。
わが社の社員にもヒアリングしてみるとどうやら「お気に入りのゆで太郎」を持っているらしい。
J-CASTのある麹町エリアではなんと5店舗もの「ゆで太郎」が営業を行っている。
「ゆで太郎」がうじゃうじゃ。石を蹴ったら「ゆで太郎」に当たるレベルだ。
「ゆで1グランプリ」勝手に開催!
果たして味の違いなんてあるのか。興味を持ったカス丸は、勝手に「ゆで1(ワン)グランプリ in 麹町」を開催した。
ルール
(1)採点の材料は素材の味がストレートに感じられる「もり」のみ
(2)麺のコシ、そば粉の風味、麺の量を5段階で評価する
ここで麹町エリアにある「ゆで太郎」をおさらいしておこう。
(1)一番町店
(2)半蔵門店
(3)平河町店
(4)麹町3丁目店
(5)六番町店
「全店に突撃するじぇい!」
ただひたすらそばを食う
(1)一番町店(7点)
コシ★★☆☆☆
風味★★★☆☆
麺量★★☆☆☆
平均的な「ゆで太郎」。これといった特徴もないように思われる。
(2)半蔵門店(10点)
コシ★★★☆☆
風味★★★★★
麺量★★☆☆☆
地下に入り口がある「隠れ家的」店舗だ。麺の量とネギの量は少なめであるものの、そばの風味では群を抜いている。「量より質」を求める通好みの店舗と言えよう。
(3)平河町店(8点)
コシ★★☆☆☆
風味★★☆☆☆
麺量★★★★☆
茹でたてを味わえたものの、コシが今一つ感じられなかった。しかし、麺量はやや多め。
「わさびセルフ」「盆無し」はこの店の特徴と言えるだろう。他の店では体験できないシステムだ。
5店舗回った感想は?
(4)麹町3丁目店(7点)
コシ★☆☆☆☆
風味★☆☆☆☆
麺量★★★★★
麺量の多さはずば抜けているものの、そば粉の風味はほとんど感じられない。「質より量」を求める若者にはピッタリの店舗と言えるだろう。麺量だけでなく、ネギの量もハンパない。麺つゆもキンキンに冷えているので、もりそばの温度が高くならない。「あ~冷たい麺食いてぇ。死ぬほど食いてぇ」という人にはオススメ。
(5)六番町店(9点)
コシ★★★★☆
風味★★★☆☆
麺量★★☆☆☆
総合的に優れた店舗と言える。ネギの量も比較的多めで、バランスもいい。運が良ければ茹でたてのコシの強い麺を味わえるだろう。
ちなみに全店舗、ちゃんと食べて回った。
一回の昼飯で「もりそば×3」はさすがにキツい。もうしばらく「ゆで太郎」はいいかな、なんてちょっぴり思っている。
そんなこんなで栄えある「ゆで1」に輝いたのは...
半蔵門店!
頑固そうなオヤジと外国人の若い調理補助、2人で切り盛りする店だ。店内のライトも心なしか白っぽく、どことなく薄暗い。万人受けする雰囲気ではないが、ここへ行けば間違いなくウマいそばが食べられる。
そもそもなぜ、「ゆで太郎」に味の違いが出てくるのか。
「餃子の王将」はメニューの味の調整を店長の裁量に任せることで知られているが、「ゆで太郎」もそうしたシステムを採用しているのではないか。そうでなければ、「わさびセルフ」「盆無し」の店舗は出てこない(味の違いではないけれど...)。でも、確かに「味の違い」は認められた。
茹で方に違いがあるのだろうか...
真相は不明だ。
カス丸も太鼓判を押す半蔵門店。
「サラリーマンなら行くっきゃないきゃす」
※この記事での「評価」は、あくまで記者の感想です。それぞれの心にある「フェイバリットゆで太郎」を大切にしてください。