「十五夜」と「十三夜」
9月の中秋の名月は、現代でも広く知られていますので、今年も、ニュースで月見が話題になっていました。旧暦の8月15日の夜に月見をするという習慣...ややこしいのは、旧暦は、月を基準とした、太陰暦なのに、必ずしも天文学的な満月と、中秋の名月は一致しない、ということです。今年がまさにそうでした。現代の太陽暦に慣れた我々には、「閏月」があったりする旧暦は、とても複雑に思えます。
その時の月見のニュースで、もう一つ、昔の習慣として言及されていたのが、十三夜の月見、でした。今年は、10月6日だったのですが、これは旧暦の9月13日にあたり、平安時代の初期から、8月の十五夜と対になる形で、宮中で月見の宴が催されていたと、記録にあるそうです。
月がまん丸に見える満月のときに月を愛でるのは、理解できますが、十三夜という、「ちょっと欠けた月を見上げて月見をする」というのは、不思議な習慣です。なぜ、そうなったのかは、今もって謎ですが、とある落語家さんが、「男女の出逢いのきっかけを少しでも多く作るため」と言っていたのが、印象的で、案外、真相はそんなところで、きっかけは何でもよかった、のかもしれません。