ダルビッシュ有や田中将大、青木宣親、イチローら日本人メジャーリーガーの華々しい活躍が日々テレビで伝えられる現代では、アメリカやカナダの野球チームで日本人選手がプレーする様子は当たり前のものとなった。しかし、今から100年前に壮絶な差別と貧困を味わいながらもフィールドで活躍した日系人野球選手の存在はあまり知られていない。
2014年10月10日の動画番組「J-CAST THE FRIDAY」では、『バンクーバー朝日‐日系人野球チームの奇跡‐』(文芸社文庫)の著者、テッド・Y・フルモトさんを招き、自身のルーツや本の魅力を語ってもらう。
日系人の「希望の光」
「バンクーバー朝日」は1900年代のカナダを駆け抜けた伝説の日系人野球チーム。作品はその背景に重く横たわる苦難の歴史を描く。
当時、カナダの西海岸は建築ラッシュの真っただ中。職を求めて海を渡った日本人にも出来る仕事で溢れていた。一方、仕事を奪われていく白人はこの状況を苦々しく見ていた。
「日本人があなたたちの仕事を奪っている。日本人をカナダから追い出そう」
「東洋人を追い出せ!ここは白人のパラダイスだ!」
カナダ人らは溜まった鬱憤を爆発させ、暴動へと発展する。日系人は民族の誇りを胸に街を守るべく戦った。そんな日々を乗り越えて結成された「バンクーバー朝日」は過酷な労働と貧困、苛烈な人種差別に苦しむ日系人にとって、唯一の希望の光だった。あくまでもフェアプレーを貫きとおす選手たちの情熱は徐々に現地の人たちの心も動かす。
J-CAST麹町スタジオからの配信。番組はYouTubeで、昼12時半から生中継する。アーカイブもYouTubeで配信する。