フィレンツェ・ルネサンスの真髄に迫る
今回の展覧会では約80点が展示されるが、このうち約半数がウフィツィ美術館からの出品。一度にこれだけの数の同館の作品が日本で公開されるのは初めてという。このほかフィレンツェにあるアカデミア美術館、捨て子養育院美術館、サン・マルコ美術館、パラティーナ美術館などからも出品されている。
圧巻がボッティチェリ関係の9作品だ。初期の聖母子像から晩年の個性的な作品まで、フィレンツェの主要な美術館に所蔵される数々のボッティチェリの名品が一堂に並ぶ。現地を訪れても一度に全部見るのは難しいだけに貴重な機会だ。
このほかアンドレア・デル・サルトやポントルモ、ブロンヅィーノら、16世紀のフィレンツェ美術を牽引した主要な画家たちの作品も。ボッティチェリに加えて、これらの作品を通して豊かで多様なフィレンツェ・ルネサンスの真髄に迫ることができそうだ。イタリア、とりわけフィレンツェ好きの人にとっては絶対に見逃がせない、魅力たっぷりの展覧会となっている。