【BOOKウォッチ】
予期せぬことは必ず起こる、噴火などの自然災害に人はなにを学ぶか

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「もし」が明日になってもおかしくない!

『もし富士山が噴火したら』

   「もし」の時期がいつになるかはわからない。漠然とまだ大丈夫と思っているから山頂で渋滞ができるほど富士登山客が多いのだろう。でもほんとうに大丈夫なのか? 貞観6年(864年)に富士山噴火があり、その5年後に太平洋沖で貞観地震が起きている。そういった歴史的事実からも東日本大震災が富士の噴火を誘発する可能性がだってあると、本書のなかで著者は危惧している。科学で解明できること、予測できることが増えているといっても、人智をこえたものの前では、まだまだわからないことばかり。

   だからこそ、今知りうることを共有することが、防災、減災につながるわけで、『もし富士山が噴火したら』(著・鎌田浩毅、イラスト・ 高世えり子、東洋経済新報社1512円)は、富士山や火山のメカニズム、そして万が一の場合に自分の身を守るためにはどうしたらいいかをなどを、『理系クン』でおなじみの高世えり子の漫画をナビにして、京都大学の火山専門家が素人向けにわかりやすく解説したもの。タイトルについた「もし」を「明日」「半年後に」などと解釈してもいいだろうし、同じくタイトルについた「富士山」を他の日本の火山におきかえてもかまわない。

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