ボトルに詰まった「ロマン」を感じる
『シングルモルト&ウイスキー事典』
『ウイスキーと私』『日本ウイスキー世界一への道』の両書がウイスキー造りの人間が書いたものであるのに対して、『シングルモルト&ウイスキー事典』(著・北村聡、Kindle版1350円)はウイスキーを楽しむ立場からの書である。
事典と名がつくとおり、ウイスキーの産地や銘柄がわかりやすく解説されている。味の特徴、醸造所の歴史などが系統たてて説明されるほか、飲み方のアレンジほか、あれこれとコラムも充実していて、ウイスキー入門者だけでなく、中級者も十分楽しめる内容になっている。
「ウイスキーを飲むことはボトルに詰まった『ロマン』を飲むこと」とは、前書きにあった一文。自宅でグラスを傾けながらの独学もよし、本書の監修者・北村聡氏の銀座の店「BAR洋酒博物館」に足を運んで、復習もこれまたよしである。