霞ヶ関官僚が読む本
治らない病気と共にある日常を描く

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「働きたい」思いにどう応えていくか

   難病は、現役時代に発症するケースが多く、「働きたい」あるいは「働かなくてはならない」患者は多い。

「病気があっても働くことができる姿勢を示したい」
「つえを使っても、体調が悪くても、私は恥ずかしいことをしているわけではない。堂々と、仕事をしたい。社会とつながっている実感がほしいんです」

   しかし、障害者と異なって、外見からは病気のために普通に働くことが難しいことが分からない場合も多い(難病患者のうち身体障害者手帳を取得している者は約2割)。また、難病患者の場合、企業に雇用が義務付けられる障害者の法定雇用率の算定対象になっていないなど障害者手帳取得者と比べて支援策が少ない。

   加えて、本書でも数多くの事例が挙がっているが、難病患者であることを知られると就職できないと思い、病気を隠して就職し、その後、無理をして病状が悪化し、退職を余儀なくされるケースも多い。

   難病対策に関しては、今年、難病新法が成立し、医療費助成については本格的な拡大が図られたが、就労支援については、まだ緒に就いたばかり。「働きたい」という切実な思いにどう応えていくか、本格的な取組みが求められている。

厚生労働省(課長級)JOJO

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