イタリアで生まれたドビュッシー「月の光」
音楽家だって、月を見ていろいろ考えます。フランスの当時の若手作曲家の登竜門の最高の賞、「ローマ大賞」を受賞して、イタリア・ローマに留学したクロード・ドビュッシーは、イタリアがあまり気に入らず、パリに帰りたい帰りたいと考えていました。しかし、イタリア滞在中に立ち寄ったベルガモ地方で、着想を得て、ベルガマスク(ベルガモ風の)組曲、という組曲をものにします。その3曲目が、有名な「月の光」。青年の葛藤と、異国の空の下での不安、それを、いつも変わらぬ月の光に託したこの曲は、その後の人々の心にも、いつも「月の光」を差し込ませてくれます。お月見のお供に、いかがでしょうか。