日本は梅雨や秋の長雨、という言葉があるように、雨の多い国です。ところが今年は、例年と違って、激しい雨が多くなっています。いつもなら、しとしとと、細かい雨が蒸し暑さと共に続くのが通例ですが、ゲリラ豪雨といわれる、特別な激しい雨が雷と共にやってきたり、集中的に雲が発生して、その豪雨があたかも重なったかのような、激しい雨の連続がおこり、各地に土砂災害などをもたらしています。梅雨だけでなく、夏の太平洋高気圧が弱く、上空に寒気...春や秋の空気といってもいいかもしれませんが...が居座っていて、大気が全体として不安定になっているのが原因です。地球は温暖化しているので、このような異常気象が起こるのだ、という主張がある一方、私は、なんだか、地球が寒くなっているような気がしてなりません。
「水」中心の日本料理 ヌーベルキュイジーヌのヒントにも
雨は日常生活には、うっとうしいものですが、日本の天からの水分補給が、日本の豊富な農作物の実り、特に、米の生育を助けているわけであり、世界的にも恵まれている真水の豊富な環境を作ってくれています。日本料理は、フランス料理に比べても、「水」を中心とした料理だな、とフランスの料理番組を見ていて思います。伝統的なフランス料理は、水よりも、牛乳から作られるクリームを多用します。だから、重たい料理になることが多く、それへの反発から、ヌーベルキュイジーヌが生まれてきたわけですが、そのヒントになったのが、懐石料理などに代表される日本料理だった、というのも必然のような気がします。水は、それ自体は無味無臭ですが、人間の体の最も大切な部分、でもあるわけですから、料理でも一番重要な素材、ということですね。