【BOOKウォッチ】
オーバーエイジな彼らを「老人」と言わずに何と呼べばいいのか?

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   「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼んでいいのは孫だけ? 65歳以上の人口は増えているのに、全国の老人クラブは減少傾向にある。「老人」という枠組みを避けている人には、来たる敬老の日に「長生きしてください」なんて軽々しく言えない。もっと適切なほかの表現を考えなければ。そもそも、われらの先輩たちは今何に情熱を燃やしているのか、じっくり話を聞いてみたい。

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美しいおひとりさま、101歳

百歳の力
百歳の力

『百歳の力』

   100歳は、生きている、ただそれだけで「スゴイ人」だ。そして、101歳の前衛美術家・篠田桃紅は、「もっとスゴイ人」である。古い価値観の時代に独身を貫き、戦後すぐに単身ニューヨークへ渡った。集英社から出ている『百歳の力』(著・篠田桃紅、756円)の帯を見て、さらに「美しい人」だということも分かった。すっとした立ち姿に、こちらの背筋も伸びる。「人が敷いてくれた道をゆっくり歩いて行けばいいというような一生は、私の性格に合わないんだからしょうがない」という彼女、道なき道は険しかったはずだ。それなのに著書から垣間見えるのは、5歳から今に至るまで墨に魅了され続けた、少女のようにチャーミングな精神だ。筆を大胆に走らせた作品は、大英博物館、MoMA、グッゲンハイム美術館、ボストン美術館など、名だたるミュージアムに所蔵されている。

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