小さな家を建てよう、その前に
『住む人が幸せになる家のつくり方』
一般の人にとって、小さな家を建てる魅力は何か。安く建てられる? 環境負荷が小さい? 立地を選ばない? 表面上の理由はそうかもしれない。だが、それだけで多くの人の心が動くものだろうか。サンマーク出版の『住む人が幸せになる家のつくり方』(著・八納啓造、1512円)にヒントがあった。建築家が、多くの住まいづくりの経験から「よい家」とは何かを語った一冊である。家の価値は、デザインや建材、立地、面積の広さなどで表現されることが多い。これに対し著者は、「住む人が幸せを育めるかどうか」が価値を決めると主張。事前に家族でどんなふうに暮らしたいのか、夢を話し合うべきだという。小さな家は間取りや使う建材に制限があるから、家主が譲れない大切なことだけが残る。つまり、「よい家」になる素質十分というわけだ。