【書評ウォッチ】「一度行ってみたい」旅本来のブラブラ感 ツアーやガイドブックにない魅力探究記

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あとは、自分の視点で訪ね歩けば

   もちろん、本にある土地は、著者が魅力の一端を紹介したにすぎない。いかに旅名人でも触れていない事柄も、訪れていない土地もまだまだあるはずだ。あとは、読者それぞれが著者の観察を参考に自分の視点で訪ね歩けばいい。「周遊とは、周到に遊ぶことでもあるんだな」と、読売新聞の評者・平松洋子さんはこの本で教わったそうだ。

   親と子の立ち位置について考えた『親が出来るのは「ほんの少しばかり」のこと』(山田太一著、PHP新書)が、朝日新聞新書欄に無署名で小さく。

   家族ドラマの脚本・演出で知られる著者が20年前に問いかけた一冊を補加筆した。今の家族関係に通じる、あるいはしっかり見越した一面が、新鮮に響く。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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