霞ヶ関官僚が読む本
図書館が進む道は…"民営化"か秘めた潜在力の発掘か

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図書館長の見方

   また、長野県塩尻市立図書館の館長として優れた手腕を発揮した内野安彦氏の「図書館長論の試みー実践からの序説」(樹村房 2014年5月)は、内野氏の図書館関連3冊目の著作であるが、類書のあまりない図書館長の仕事をわかりやすく解説した画期的な著作である。

   図書館長・員は、本好きよりも人好きであってほしいという著者の強い願いがこの著作から熱く伝わってくる。また、「図書館は人がすべて」、「なぜか語られないホスピタリティ」、「図書館員の倫理綱領」で出版文化を守るのが図書館の役割と言及しつつも、それが深められていない現状の指摘など、いずれも示唆に富む。地域経済社会を活性化する上で、図書館の豊かな可能性、秘められた潜在力の大きさを改めて再確認させられる1冊だ。

経済官庁(課長級)AK

【霞ヶ関官僚が読む本】 現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で、「本や資料をどう読むか」、「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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