霞ヶ関官僚が読む本
図書館が進む道は…"民営化"か秘めた潜在力の発掘か

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伝統的図書館業界の試み

   一方、伝統的な図書館業界でも、自治体を取り巻く厳しい経済財政状況などから、いろいろな動きがある。それを活写・考察したのが、「つながる図書館―コミュニティの核をめざす試み」(猪谷千香著 ちくま新書 2014年1月)だ。「図書館業界」関係者が理想とする、武雄市のお隣の伊万里市にある「伊万里市民図書館」の記述は非常に興味深い。優れたジャーナリストとして、非難囂々の武雄市図書館も併せて冷静に記述しているのが印象的だ。人が集まる「広場」をめざす東京都武蔵野市の「武蔵野プレイス」や、納税者の視点に立った、問題解決型図書館の先駆けである鳥取県立図書館の紹介内容もとても素晴らしい。

【霞ヶ関官僚が読む本】 現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で、「本や資料をどう読むか」、「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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