霞ヶ関官僚が読む本
進化する"あなた"を識別するフィルタ 「自分が知らない自分」がネットにいる可能性

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米国におけるデータ市場

   米国において消費者のプライバシー保護を担当する連邦取引委員会(FTC)が2012年に発表した報告書において、消費者のプライバシー保護のために企業は消費者に選択肢を示し、透明性を増進させることなどが提言されるとともに、「モバイル」、「データ販売業者」、「大規模なプラットフォームの提供者」等の分野に今後FTCが取組むべきとされた。米国の大手データ販売業者の実態は明らかではないが、本書によれば「アクシオム」という会社は「米国世帯の約96%と世界5億人程度」についてデータバンクを構築し、家族の名前、現在および過去の住所、クレジットカードの支払い頻度から飼育するペットまで約1500種類ものデータを有し、多くの大企業を顧客に持つとされる。ネット上の我々の個別の行動は既に「小さな商品」として市場で取引きされ、「行動ターゲティング」広告に活用されている。今後、技術的には大規模な顔認識情報や遺伝子情報も組合わされデータ市場へ流通していく可能性も示唆される。

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