パワハラやサービス残業、低賃金がつきまとう
見逃せないのは、こうした自爆営業にはパワハラや長時間のサービス残業、低賃金がつきまとうことだ。これがブラック企業でなくてなんだ? 5年をかけて取材した著者は「いったいどれだけ多くの人が、心と尊厳を傷つけられ、体が悲鳴を上げ、精神を病み、休職に追い込まれたことだろうか」(あとがき)と告発する。
原因はもちろん、やむなく従う労働者がいるからだし、それにつけこむ悪質経営者や管理職のせいだが、アベノミクス以来の企業優先ムードや政策も無縁ではない。
残業代ゼロ制度や企業減税に積極的な政府にサービス残業や自爆営業防止策を求めないと、総ブラック化にこの国はなりかねない。小さな無署名書評が朝日新聞の新書欄に。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
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