【書評ウォッチ】ひとり親家庭の生きづらさ 「これ以上、がんばれない」実状とは

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富を独占する金融資本の構造

   ひとり親家庭とは対極どころか、同じ地球にあるとは思えない世界を描く『強欲の帝国』(チャールズ・ファーガソン著、早川書房)が日経新聞に。中国のことではない。リーマンショックを起こした米国金融資本の行状だ。先物取引や自己資本に関する政策規制をつぶし、骨抜きにし、挙句は住宅バブルの崩壊を招いた。なのに、年収数千万ドルのトレーダーもいる、ひと握りの人間が富を独占する構造を著者は追及する。

   では、どうすれば? 著者は不正関係者の刑事告発を求めるが、リーマンショックで訴追された例はない。そこが、この本の限界か。富める者はどこまでも富むのだろうか。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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