第一戦の地は殺人43倍、強盗200倍
治安の悪化となると、さらに10ケタは違う。日本代表第一戦の予定地・レシフェがある州の殺人事件は日本の43倍、強盗200倍。第3戦のクイアバ都市圏は殺人51倍、強盗404倍。サンパウロ市内の強盗事件は届け出があっただけで日本の480倍も。凶悪事件の90%で拳銃が使われたという。これでもバラ色なのか。
いや、この現実を差し引いても、発展の可能性はまだまだ高いというほどにパワフルな可能性の地なのかもしれない。こういう国を理解するのは単純にはいかない。書評は日経新聞(評者は浜口伸明・神戸大教授)に。
ほかに『社会自由主義国家』(小池洋一著、新評論)や『ブラジル経済の基礎知識』(二宮康史著、ジェトロ)にも触れて、巨大な未知の国を考える資料は豊富だ。
(ジャーナリスト 高橋俊一)