富士山が写っていない!? 異色の富士写真集
『テッペン!死ぬまでに見たい、富士山頂からの絶景』
富士山の人気は今に始まったことではない。江戸時代には、「富士信仰」がブームとなった。ホンモノに登らなくてもご利益が得られると、関東地方の神社などには1~2分で登頂できてしまうミニチュア版の「富士塚」が数多く作られた。同じように、気軽に富士登頂を疑似体験できるのが、講談社の『テッペン!死ぬまでに見たい、富士山頂からの絶景』(著・小野庄一、1620円)だ。神々しいご来光、湧き上がる白い雲、遠く眼下にキラキラと光る街の夜景、天の川など、登った人でも見られないような奇跡の絶景が、地上にいながら楽しめる。トイレ休憩の行列や筋肉痛とは無縁だ。富士山の写真集なのに、誰もがイメージする下から眺めた姿が写っていない異色本。富士登山を経験した人には、自分が見た景色との違いを比べてみるのも楽しい。