テレビ番組「アンビリバボー」でも紹介される
『ボブという名のストリート・キャット』
確かに、依存症の人たちがそこから抜け出すのは難しい。それでも何かのきっかけで立ち直ることもある。それが猫だった、というのが、辰巳出版の『ボブという名のストリート・キャット』(著・ジェームズ・ボーエン、訳・服部京子、1728円)だ。
英国では70万部のベストセラーになり、世界28カ国以上で翻訳出版された。日本でも2013年12月、フジテレビ系のテレビ番組、「アンビリバボー」で「奇跡のノラ猫の話」として紹介されたので、ご覧になった人も多いかもしれない。物語はこんなストーリーで展開する。
28歳の青年、ジェームズ・ボーエンは、売れないストリートミュージシャン。ロンドンでプロを志したものの失敗し、路上生活者に転落。その上、ヘロイン中毒からも抜けだせずにいた。人生の目的を失った彼の前に突然現れた、野良猫ボブ。運命的に出会い、支え合い、互いの人生を変えていく。
中毒からの「脱出」は地獄だ。薬の禁断症状が極限にまで達する中、ボブはずっと見守り続けてくれた。ジェームズは耐え抜き、ようやく薬物依存から抜け出した。
奇跡はそれだけではなかった。 2人の物語が「ボブという名のストリート・キャット」という本になり、大ヒットを記録したのだ。ジェームズとボブは、今もロンドンで一緒に暮らしているという。