コタイ・ストリップにも注目
看板メニューのボストン・ロブスター四川チリソースフライを紹介する「ゴールデンコート」のシェフ、簡啓栄(カン・カイ・ウィン)さん
日本人に人気のトラバンコア・フィッシュカリーに自信をのぞかせる「ザ・ゴールデン・ピーコック」のシェフ、ジャスティン・ポールさん
マカオでは、コタイと呼ばれる埋め立てられた地区で近年、大規模なリゾート開発が進む。マカオは中国大陸から突き出た半島と沖合の2島(コロアネ島、タイパ島)で構成されるが、このうち2島の間にあり、両島の名を合わせたのがコタイ地区。サンズ・チャイナは、半島側にサンズ・マカオを建設した後、コタイ地区の中心部で最も賑わう通称コタイ・ストリップでも、リゾート開発を進めている。
コタイ地区で最大のリゾートは、イタリア・ヴェネチアをイメージした複合型リゾート「ザ・ベネチアン・マカオ」(07年オープン)。施設内にはホテル、レストラン、カジノはもちろん、アパレルブランドをはじめとする300店舗以上の専門店がある。いわば大型のショッピングモールのような場所だ。専門店の間を縫うようにして運河がめぐらされており、ゴンドラに乗ってゴンドリエーレ(漕ぎ手)の歌を聴きながらクルーズを楽しめる。
施設内のレストランでは、インド料理の「ザ・ゴールデン・ピーコック」が話題を集める。同店は、インド料理店としては初めて、『ミシュランガイド香港・マカオ版2014』で一つ星を獲得した。シェフのジャスティン・ポールさん(38)は「さまざまな国の料理をつくってきた自身の経験が生かされている」と、ミシュランに評価されたと思われる華やかな創作料理に自信をのぞかせる。日本人に人気があるのは、インドの屋台メニューからヒントを得たというコロッケのような一品にサラダを添えた「チャンドニー・チョーク・ラジ・シャート」(88マカオ・パタカ)と、銀ダラを使ったココナッツカレー「トラバンコア・フィッシュカリー」(108マカオ・パタカ)。
なお、コタイ・ストリップでは、ザ・ベネチアン・マカオのほか、それに隣接し高級ブティックが連なるラグジュアリーな複合型リゾート「ザ・プラザ・マカオ」(08年オープン)、コンラッド、シェラトン、ホリデイ・インの3ホテルを擁する複合型リゾート「サンズ・コタイ・セントラル」(12年オープン)の計3施設をサンズ・チャイナが運営している。すべての施設は遊歩道でつながり行き来ができる。16年には複合施設「ザ・パリジャン」のオープンが控えており、さらなる盛り上がりに期待が寄せられている。