開幕まで3週間を切ったのに観戦チケットが届かない、スタジアムの建設は間に合うのか、地元警察官のストライキで治安は大丈夫か……、サッカーW杯ブラジル大会は波乱の予感だ。一方、日本代表への期待はこれまでにないほど大きい。競争の激しい海外リーグで経験を積んだメンバーがどんな働きを見せるのか。
サムライの精神はもっと強くなるか?
『メッシと滅私 「個」か「組織」か?』
本田圭佑選手がインタビューで「個の力」の大切さを強調する場面は印象的だ。ヨーロッパでの体験が、日本はこのままではいかんと危機感を覚えさせるのだろう。集英社の『メッシと滅私 「個」か「組織」か?』(著・吉崎エイジーニョ、756円)は、本田選手をはじめ、長友佑都選手や岡崎慎司選手といった「海外組」へのインタビューを通して、彼らが受けたカルチャーショックを解説。譲り合う日本人選手と、自分の力を見せつけようとする外国人選手の違いを指摘する。著者は、チームのレベルアップには、自己主張するメンタルの強さが必要だが、生まれ育った国の宗教や文化が深く影響していると仮説を立てる。ダジャレの効いた題名だが、いたって真面目な内容だ。果たして、日本からメッシのような歴史的プレイヤーが生まれる日は来るのか。