生まれ方は選べないが、死に方はある程度選べる。70代を目前に控えた団塊の世代が人生の終わりを意識し始めた。書店には「終活」専用の棚ができ、棺桶や位牌をインターネットで購入できる時代だ。今までの慣例にとらわれない、新しい「お別れの方法」は受け入れられるのか。自分で選び、周囲に理解を求める勇気はあるか。
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理想の死を考えながら生きる
『医者が教える 人が死ぬときに後悔する34のリスト』
死ぬことは、医療とどう付き合っていくかということでもある。アスコムの『医者が教える 人が死ぬときに後悔する34のリスト』(著・川島朗、1188円)は、「『病院に行けば何とかしてくれる』と思い込んでいた」「家族に無理やり入院させられてしまった」など、著者が患者から聞いた後悔と、そうならないための提案がまとめられている。中には、「生きているうちに『ごめんなさい』と言えなかった」といった病気とは直接関係ない項目もあり、自分にとって理想の最期とは何かを考えさせられる内容だ。死について考えると、自分はどう生きたいという目的が生まれ、人生がより充実するという。巻末では著者と生前親交のあった歌舞伎役者・中村勘三郎氏から届いたサプライズに触れ、「かっこいい生き方をした人は、かっこいい死に方をする」と締めくくる。