【書評ウォッチ】嫁・娘・妻ではなく「なぜ、おれが」 「息子介護」という現実問題

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胸に酢を詰め込まれるような切実感

   「なぜ、おれが」といった自問もついて回る。きょうだいがいれば、介護者にならなかった兄弟、嫁いだ姉妹とのかかわりも微妙だ。仕事や同僚の反応を考えただけで、想像されるのは胸に酢を詰め込まれるような、たまらない切実感。超高齢化と非婚化の進行を見れば、まさにもう他人事ではない。

   「現実を見据えるため、ぜひご参照されたい」と、朝日新聞の評者・水無田気流さんが一読を勧めている。

<もう一冊>『巨大津波 地層からの警告』(後藤和久著、日経プレミアシリーズ)が毎日新聞に。津波の痕跡を研究する地質学者が、地層の堆積物から災害を考えた。

   仙台平野の場合、内陸3・5キロまで、過去の津波が運んだ砂が縞模様に堆積しているそうだ。「巨大津波が繰り返されているから気をつけて」と、地層が言ってくれていた。評者は日本近世・近代史の磯田道史さん。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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