【書評ウォッチ】グーグル会長がみずから語る ネットの「とてつもない善」と「おぞましい悪」

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誰もが仮想世界を意識して生活する

   市民生活は「これまで真剣に考える必要のなかったリスクにさらされる」と、日経新聞の評者・富士通総研の湯川抗さん。ネットと関わらなければすむか。いや、オフラインが珍しい世界では、個人をむしろ特定しやすい。もう誰もが「仮想世界を常に意識して生活せざるを得ない」らしい。

   グーグル社が随分前から軍事ロボット企業の買収やメガネ型端末の開発に乗り出したのは、こういう予測に基づく投資だったことも本からわかる。ネットが必ずしも善ではないのと同じで、グーグルという大資本も当然にも善ではないということだろうか。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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