しなやかな日本文化が地球を救う
『日本人らしさの発見 しなやかな〈凹型文化〉を世界に発信する』
「21世紀は日本の世紀であるべき」というのが著者の主張の眼目である。大修館書店の『日本人らしさの発見 しなやかな〈凹型文化〉を世界に発信する』(著・芳賀 綏 、2160円)は大戦後の東西冷戦が終わり、アメリカの一極支配に陰りが見え、地球規模で環境破壊が進む今こそ、日本の出番と説く。
著者によれば、文化には〈凸型〉と〈凹型〉とがある。〈凸型〉は他者を思うままに支配しようとして、対立と闘争、征服と復讐を繰り返し地球環境を破壊してきた。これに対し、〈凹型〉は人も自然もすべて包み込むしなやかさを持つ。地球の危機と人類を救うのは〈凹型〉であり、〈凹型〉文化に根ざした日本人が自らの気心のよさと美風を自覚し、その価値を世界に発信していくことが求められているという。