【BOOKウォッチ】
1日200回ウソをつくのはホント!? 「ウソなし」では生きていけない

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悪意の噂話が作り出す犯人像

『白ゆき姫殺人事件』
『白ゆき姫殺人事件』

『白ゆき姫殺人事件』

   美人OLが殺された。犯人はどんな人物か。テレビや週刊誌が取り上げる。隣人、同僚、同級生、家族が次々に証言。噂が噂を呼び、ネットも炎上。絵にかいたような犯人像が出来上がる。だが、噂がウソに基づくものだったとしたら――。集英社の『白ゆき姫殺人事件』(著・湊かなえ、1470円)は、悪意に満ちた憶測や無責任な過熱報道の怖さを描き出す。第6回本屋大賞受賞で注目を浴びた著者によるミステリー長編だ。

   執筆の動機について、著者は次のように語っている。自分のことで近所の人や知人が取材を受けたことがあった。「その時、皆さんが良いことばかり言ってくださったけど、これが殺人事件にかかわるようなことだったら、何を言われるだろうと怖くなりました」。現代ではだれが、いつ、増幅されたウソの被害者になるかわからない。井上真央主演で映画化され公開中だ。

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