全国の学校で広がる「弁当の日」
『世の中への扉 弁当づくりで身につく力』
「弁当の日」というものがあるのをご存じだろうか。子どもたちが自分でつくった弁当を持って登校する日のことで、全国の小中学校や高校にまで広がっている。親は手伝わず、自分で献立を考え、材料を買ってきて、調理して、弁当箱に詰め、片付けもする。2001年に香川県で始まり、今や全国47都道府県の1000校を超える学校で行われている。
講談社の『世の中への扉 弁当づくりで身につく力』(著・竹下和男、1260円)はこの取り組みを始めた小学校の校長の実践記録である。「子どもたちの心理的な空腹感を満たすことはできないか」という思いから始めたが、子どもたちは弁当づくりの経験を通して、自己への肯定感や親への感謝の気持ちを持ち、食べ物の大切さに気付くようになったという。自分でつくった弁当を囲む子どもたちの明るい表情の表紙が印象的だ。